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SES正社員とフリーランス どっちが得?手取り・キャリア比較【2026年版】
📌 この記事でわかること
- SES正社員とフリーランスの手取りを月単価別に実数値で比較する方法
- SES会社の中抜き率35〜40%の実態と、自分の単価を確認する具体的な方法
- 社会保険・税コスト込みでフリーランスが「得」になる月単価の分岐点
- SES正社員から独立し単価50万→72万→93万(税込100万超)へ上げた実体験プロセス
- 2026年フリーランス新法・下請法改正がSESエンジニアのキャリアに与える影響
「SESのままでいいのか、フリーランスに転向したほうが手取りが増えるのか」——この問いに、私は数字で答えを出した経験があります。
SES1社目で月収20〜25万円だった私が、同じSESでも会社を変えるだけで月収40万円になりました。倍近い増加です。そこから気づいたのは「SESの給与はスキルではなく会社の中抜き率で決まる」という構造的な問題でした。フリーランス転向後は単価50万円から始まり、失敗と試行錯誤を経て72万円→93万円(税込100万円超)まで引き上げることができています。
この記事では、その実体験をもとに「どっちが得か」を手取り・社会保険・キャリアの3軸で徹底比較します。月単価60万円前後からフリーランスの手取りがSES正社員を上回り始めるというのが私の実感で、その損益分岐点を実数値で示せるのはこのブログだけだと思っています。

SES正社員とフリーランスの手取りを数字で比較する
SES正社員の給与は、エンド企業が支払う月単価からSES会社のマージンが差し引かれた後に決まります。
厚生労働省が公開する「令和5年度 労働者派遣事業報告書」によると、ITエンジニアへの派遣料金の還元率は平均約61%です(出典: 厚生労働省)。業界で広く言われる中抜き率35〜40%と合致する数値です。
つまり、月単価70万円の案件に参画していても、還元率61%なら手元に残るのは月42.7万円。そこから所得税・住民税・社会保険料(会社折半で半額負担とはいえ)が引かれます。
| 月単価 | SES正社員の月給 (還元率61%) |
SES手取り概算 (税・保険引き後) |
フリーランス 月収 |
フリーランス手取り概算 (青色申告75万控除適用) |
|---|---|---|---|---|
| 40万円 | 24.4万円 | 約19〜21万円 | 40万円 | 約28〜31万円 |
| 60万円 | 36.6万円 | 約28〜31万円 | 60万円 | 約40〜44万円 |
| 70万円 | 42.7万円 | 約33〜37万円 | 70万円 | 約47〜52万円 |
| 80万円 | 48.8万円 | 約38〜42万円 | 80万円 | 約54〜59万円 |
| 93万円 | 56.7万円 | 約43〜47万円 | 93万円 | 約63〜68万円 |
※フリーランスの手取りは国民健康保険・国民年金・所得税・住民税(青色申告75万控除・2026年度改正後の基礎控除62万円適用)を差し引いた概算です。マイクロ法人を設立すれば社会保険料をさらに削減できます。
この表から読み取れるのは、同じ月単価でもフリーランスの手取りはSES正社員の約1.2〜1.4倍になるという事実です。月単価70万円で比べると、年間の手取りはSES正社員が444〜444万円(37万×12)に対し、フリーランスは564〜624万円(47〜52万×12)。年間100万〜180万円もの差が生まれます。
自分の単価を確認したい場合は、SES会社に「エンドから何万円で請求しているか」を直接聞いてください。開示義務はないケースもありますが、教えてくれる会社は「透明度が高い企業」の証拠です。答えを渋る会社ほど中抜き率が高い傾向があります。
社会保険・福利厚生の差を正直に整理する
SES正社員の最大のメリットの一つが社会保険の会社折半負担です。健康保険・厚生年金の保険料は会社と折半になるため、自己負担額は実質半分で済みます。年間の保険料総額を比べると、SES正社員は自己負担が40〜70万円程度のケースが多いです。
フリーランスになると、国民健康保険に加入することになります。2026年度の国民健康保険料の上限は年間110万円まで引き上がっており、高所得者ほど負担が重くなります。年収700万円の個人事業主では、国保だけで年間70〜80万円を超えることも珍しくありません。
この点だけを見ると「SES正社員のほうが社会保険面では有利」と感じるかもしれません。ただし、私はこの問題を「マイクロ法人(一人会社)の設立」で解決しています。
🦈 私の実体験
2020年のフリーランス独立と同時にマイクロ法人を設立し、役員報酬を月4.5万円に設定しました。この二刀流(個人事業+法人)で、国民健康保険に加入し続けた場合と比べると社会保険料を年間数十万円単位で削減できています。法人設立費用は実質1年以内で回収でき、6年以上続けています。
フリーランスの社会保険デメリットは確かに存在しますが、マイクロ法人二刀流で大幅に緩和できます。詳細はフリーランスエンジニアの国保節約│マイクロ法人との社会保険料比較【2026年版】も参考にしてください。
SES会社を変えるだけで月収が倍になった話
私がフリーランス転向を意識し始めたきっかけは、意外な体験でした。
SES1社目では月収20〜25万円。技術力が評価されないわけではなかったのですが、いくら成果を出しても給与はほとんど変わりませんでした。そこで転職エージェントに相談し、同じようなSES案件ルートのまま別のSES会社に転職した結果、月収40万円になりました。スキルは何も変わっていません。純粋に「所属会社が変わっただけ」で給与がほぼ倍になったのです。
🦈 私の実体験
SES1社目(月収20〜25万円)から、同じSES現場・同じスキルのままSES2社目に転職したら月収40万円になりました。入社から約1年後の出来事です。「自分の市場価値は変わっていないのに給与が倍増した」という体験が、SESの中抜き構造の実態をリアルに教えてくれました。
この経験から気づいたのは、「SES正社員で給与が上がらないのはスキル不足ではなく、会社選びの問題であるケースが多い」という事実です。
SES業界では、同じ月単価60万円の案件でも、会社によって手元に残る金額が大きく異なります。
- 還元率50%の会社 → 月収30万円
- 還元率65%の会社 → 月収39万円
- 還元率80%の高還元SES → 月収48万円
- フリーランス(中間マージンゼロ)→ 月収60万円(税・保険引き前)
SES正社員で給与に不満があるなら、まず「自分の単価を確認し、他のSES会社と比較する」が最初のアクションです。そしてその先に「フリーランス」という選択肢があります。
SES正社員でも月収が伸び悩む構造的な理由については、SES月収が上がらない本当の理由と抜け出す方法も合わせて読んでください。
フリーランス転向「損得」の本当の分岐点
「フリーランスに転向したら本当に得なのか」を判断するには、税・社会保険コストを含めた実質手取りで比較する必要があります。
フリーランス転向で必ず発生する主要コストは以下の通りです(2026年版)。
| コスト項目 | 概算(年収700万円・個人事業主の場合) |
|---|---|
| 国民健康保険料 | 年60〜80万円(2026年度上限110万円) |
| 国民年金保険料 | 年約20万円(2026年度) |
| 所得税・住民税 | 青色申告75万控除適用後で変動(2026年度改正反映) |
| 帳簿・会計ソフト等 | 年5〜15万円 |
これらのコストを加味すると、月単価60万円未満でのフリーランス転向は、手取りベースでSES正社員と大差ないか、むしろ不利になるケースもあります。
一方、月単価70万円以上(年収840万円以上)になると、SES正社員との差が明確に広がります。私のケースでは単価72万円(税込80万円)の時点から年収ベースで大きく逆転し、エンド直案件で93万円(税込100万円超)になってからは正社員時代の2〜3倍の手取り水準を実現できています。
私が単価50万円→72万円→93万円と引き上げたプロセスは「一発の交渉」ではありませんでした。1つの案件で長期継続して信頼と実績を積んだ結果、自然と高単価案件が入ってくるようになったのが実態です。単価80万円・90万円を狙う具体的なプロセスはフリーランスエンジニアが単価80万・90万に上げた実体験と方法で詳しく解説しています。
フリーランス転向の損得を正確に判断するには「今の自分のスキルで何万円の単価が見込めるか」をエージェントに無料相談してから決めるのが最短です。自己評価より市場評価を優先してください。
SESに残り続けると起きること:2026年の業界変化
2024年11月施行の「フリーランス新法」と2026年1月施行の「下請法改正」により、SES業界の多重下請構造に規制強化が入りました。中抜き率の高いSES会社は収益が圧迫されるため、エンジニアへの還元がさらに厳しくなるリスクがあります。
2026年のSES業界には大きな構造変化が起きています。
フリーランス新法(2024年11月1日施行)では、業務委託先への報酬支払期日の明確化・ハラスメント防止措置の義務化が定められました(出典: 厚生労働省)。これにより、フリーランスエンジニアとして業務委託で働く際の取引条件が法的に保護されるようになっています。
下請法改正(2026年1月施行)では、多重下請構造における価格交渉拒否の禁止・取引の透明化が義務付けられました(出典: 公正取引委員会)。中抜き率の高いSES会社ほど今後の経営コストが上昇し、エンジニアへの還元余力が縮小するリスクがあります。
キャリアの観点でも、SES正社員のままだと以下の問題が起きやすくなります。
- 単価の上限: SES会社が案件を決めるため、自分の希望する単価・現場に入れない
- スキルの偏り: 会社の方針で決まった案件に入り続け、汎用スキルセットが積みにくい
- 年齢と市場価値のミスマッチ: SES正社員のまま30代後半〜40代になると「現場経験は豊富だが単価を正当化できるスキルが薄い」状況に陥りやすい
私自身、SES1社目で約3年間は「このままでいいのか」という不安を感じながら働いていました。SES2社目に転職して月収が倍になり、フリーランス独立で単価50万→93万まで上げた今、「SESのままでいる時間的コストは、思っているより高い」というのが正直な実感です。

フリーランス転向を最短で成功させるエージェント選び
私が独立後に最初に感じた失敗は、エージェント選びを軽視したことです。独立直後の初案件(単価約50万円)を3ヶ月で契約終了になったとき、「次の案件をすぐ紹介してもらえるエージェントとの関係性」が文字通り命綱でした。
現在はあるエージェントと4〜5年の長い付き合いが続いています。担当者が私のGo言語×AWS×フルリモートというスキルセットを熟知してくれているため、「単価は落とさず、フルリモート案件のみ」という厳しい条件でも案件を探してもらえます。
フリーランスエージェントを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- Go・AWS等の希少スキルに対応した案件数が豊富か
- フルリモート案件の比率が高いか
- 単価交渉を代行してくれるか
- 担当者との長期関係を前提にした姿勢があるか
複数登録することで、案件の比較・条件交渉の材料が増えます。週3日・高単価案件を探している場合は、ITプロパートナーズが特に強い選択肢の一つです。独立を考えているエンジニアなら、まず1社だけでも登録して「市場での自分の単価感」を確かめることをおすすめします。
保証制度(正社員並みの福利厚生・報酬保障)を重視するなら、Midworksも有力な選択肢です。独立直後の「保障が不安」な時期に特に力になってくれます。
よくある質問
Q. SES正社員のままでも、キャリアアップできますか?
A. 難しくはありませんが「会社任せのキャリア」になりやすい点がリスクです。SES会社が決めた案件に入り続けると、自分が望むスキルセットや単価帯のキャリアを積みにくくなります。SESのままでも、「自分で案件を選べる交渉力の維持」が重要です。
Q. フリーランス転向に最低限必要な実務経験は何年ですか?
A. 「3年以上」が目安とよく言われますが、私はエンジニア転職から約1年半で独立しました。ただし初案件を3ヶ月で契約終了になった失敗も経験しており、スキルの担保なき早期独立はリスクを伴います。「今の自分のスキルで70万円以上の単価が見込めるか」をエージェントに確認してから判断するのが現実的です。
Q. SES正社員からフリーランスに転向すると、年収はどのくらい変わりますか?
A. 月単価70万円の場合、SES正社員の年収は概算で450〜560万円程度。フリーランスなら税・保険引き後でも560〜620万円前後になることが多く、年間50〜170万円程度の差が生まれます。単価が上がるほど差は大きくなります。
Q. フリーランスに向いていないエンジニアはいますか?
A. 「収入の安定を最優先にしたい」「自己管理や営業が苦手」という場合は、SES正社員や高還元SESのほうが向いているケースもあります。ただし、Midworksのような保証付きエージェントを活用すれば、独立後の収入の波を一定程度平準化できます。
Q. SES正社員時代に副業でフリーランスを始めることはできますか?
A. 就業規則の確認が必要ですが、副業OKの会社であれば副業フリーランスから始めることで「収入の感触」を掴んでから本格転向する選択肢もあります。2024年11月施行のフリーランス新法により、副業フリーランスの取引条件も法的に保護されるようになりました。
Q. フリーランス転向後、すぐに単価は上がりますか?
A. 転向直後は単価が上がらないケースが一般的です。私も独立後の初案件は単価50万円で、3ヶ月で契約終了を経験しました。単価が本格的に上がり始めたのは、1つの案件で長期継続し信頼と実績を積んだ3年目以降でした。長期視点で動くことが大切です。
Q. SES正社員を辞めた後の健康保険はどうすればよいですか?
A. 退職後の選択肢は①国民健康保険への加入②前職の健康保険を最長2年間継続(任意継続)③家族の扶養に入る——の3択です。高還元期は任意継続の方が安い場合もあるので、保険料を比較して判断してください。マイクロ法人を作れば社会保険への加入も可能です。
📝 この記事のまとめ
- SES正社員の手取りは「月単価×還元率61%」から税・保険を引いた金額。同じ月単価ならフリーランスの手取りが1.2〜1.4倍になる
- フリーランス転向が「得」になる損益分岐点は月単価60万円前後。Go・AWSなど希少スキルがあれば70万円以上は現実的
- 社会保険のデメリットはマイクロ法人二刀流で年間数十万円単位で削減できる
- 2024年11月施行のフリーランス新法・2026年1月の下請法改正でSES業界は変化中。中抜き率の高い会社ほど今後不利になる
- 転向成功の鍵はエージェントの複数登録と、担当者との長期関係構築。まずは1社登録して市場単価を確認することが最短の第一歩
👉 まずやること:フリーランスエージェントに1社登録して「自分のスキルで何万円の単価になるか」を無料で確認する
著者プロフィール
🦈 さめじま(フリーランス・ラボ・アーキテクト 編集長)
完全未経験からエンジニアとして独立し、数年で年収1,000万円・個人資産5,000万円を達成した戦略家。感情や根性論を排除し、AIツールと税務戦略を駆使した「最もスマートな独立ルート」をシステム論として発信している。フリーランス・ラボ・アーキテクト(本メディア)では、独立・副業・資産形成・FIREをテーマに、再現性の高い実体験ベースの情報を提供している。
本記事の内容は2026年6月現在の情報をもとに作成しています。フリーランス新法(2024年11月施行)・下請法改正(2026年1月施行)・国民健康保険料の上限等は今後改正される場合があるため、最新情報は厚生労働省公式サイト・公正取引委員会等でご確認ください。本記事に投資・資産運用に関する情報は含みません。キャリア・独立の判断はご自身の責任で行い、必要に応じてFP・税理士等の専門家にご相談ください。
