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フリーランスエンジニアの源泉徴収、確定申告で還付されるといくら戻る?月単価別シミュレーション【2026年版】
📌 この記事でわかること
- フリーランスエンジニアに源泉徴収が発生する仕組みと税率(10.21%/20.42%)
- 月単価60万・80万円の場合、確定申告でいくら戻るかのシミュレーション(令和7年分)
- 2026年確定申告(令和7年分)で変わった基礎控除の段階別一覧と影響
- freeeで青色申告して還付を受けた私の実体験と入力手順
- 支払調書が届かない・源泉徴収されていない場合の対処法
独立1年目の私は、源泉徴収の仕組みをまったく理解していませんでした。毎月の請求書に「源泉徴収税額」として6万円超が差し引かれているのを見て、「なぜクライアントが勝手に税金を抜いていくんだ」と困惑していたほどです。
転機は確定申告でした。freeeで初めて青色申告を済ませた翌月、指定口座に約35万円が振り込まれているのを見て驚愕しました。月単価50万円時代に源泉徴収されていた税額の大部分が、青色申告65万円控除や社会保険料控除によって「払いすぎ」となり、そのまま還付されたのです。
確定申告しなければ、この35万円は永遠に戻ってきませんでした。フリーランスエンジニアにとって源泉徴収の還付金は「知らないと損する年20〜40万円」です。本記事では月単価別のシミュレーションと2026年(令和7年分)の基礎控除改正ポイントをまとめます。
フリーランスエンジニアの源泉徴収とは? — 報酬から先に引かれる所得税の仕組み
源泉徴収とは、クライアントが報酬の支払い時に所得税をあらかじめ差し引いて国に代わりに納める制度である。フリーランスエンジニアにとっては「所得税の仮払い」と理解すると分かりやすいです。
源泉徴収の税率は支払金額によって異なります。
| 1回の報酬金額 | 源泉徴収税率 | 計算式の例(月60万円) |
|---|---|---|
| 100万円以下の部分 | 10.21%(復興特別所得税込) | 60万円 × 10.21% = 61,260円 |
| 100万円を超える部分 | 20.42% | ※100万円超の月は計算方法が変わる |
月単価60万円のフリーランスエンジニアなら、毎月61,260円が源泉徴収される計算です。年間で積み上げると約73.5万円が前払い所得税として差し引かれていることになります。
🦈 私の実体験
2020年の独立直後(月単価50万円)、初めて届いた支払調書を見て「毎月5万円超が差し引かれている」と知った。年間を通じると約61万円が源泉徴収されており、翌春の確定申告後に大部分が還付された。「前払い」の意味を体で理解した瞬間だった。

ITエンジニア(システム開発・プログラミング)は所得税法第204条の列挙業種に明示されていないため、契約形態やクライアントの方針によっては源泉徴収されないケースもある。請求書に「源泉徴収税額」欄があるかを毎月確認しよう。
「いくら戻るか」の計算式 — 前払いした税金と確定税額の差が還付金
源泉徴収は「各種控除を考慮しない概算での前払い」です。一方、確定申告では実際の事業所得(売上 − 経費)から控除を積み上げた「課税所得」に税率をかけ直します。この「確定した税額」が前払い額より少なければ、その差額が還付されます。
フリーランスエンジニアが使える主な控除は以下のとおりです。
- 経費(ガジェット・通信費・交通費・書籍代・フリーランスエージェント手数料など)
- 青色申告特別控除 65万円(e-Tax申告が要件・令和7年分まで)
- 基礎控除(令和7年分は最大95万円・所得額で変動)
- 社会保険料控除(国民健康保険料+国民年金の全額)
- 生命保険料控除・医療費控除・iDeCo掛金控除 など
これらの控除が源泉徴収時には一切反映されていないため、多くのフリーランスエンジニアで「前払いしすぎ」の状態になっています。
2026年確定申告(令和7年分)で変わった基礎控除 — 最大95万円に引き上げ
これまでの基礎控除は合計所得金額2,400万円以下であれば一律48万円でした。令和7年分の確定申告から5段階制に変わり、所得が低いほど控除額が大きくなります。
| 合計所得金額 | 令和7年分の基礎控除額(2026年申告) |
|---|---|
| 132万円以下 | 95万円 |
| 132万円超〜336万円以下 | 88万円 |
| 336万円超〜489万円以下 | 68万円 |
| 489万円超〜655万円以下 | 63万円 |
| 655万円超〜2,350万円以下 | 58万円 |
| 2,350万円超〜2,400万円以下 | 32万円 |
| 2,400万円超〜2,450万円以下 | 16万円 |
| 2,450万円超 | 0円 |
出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(国税庁公式)
月単価60〜80万円のフリーランスエンジニアの多くは、合計所得金額が400〜700万円台に収まります。この場合、基礎控除は58〜63万円(旧制度の48万円から10〜15万円アップ)となります。
なお、令和8年分(2026年所得・2027年申告)では基礎控除がさらに引き上げられ、489万円以下なら最大104万円、655万円以下なら67万円になる予定(令和8年度税制改正)。
2026年7月現在の情報です。最新情報は国税庁のウェブサイトでご確認ください。税務上の判断は税理士・税務署へのご相談をおすすめします。
月単価60万・80万の還付シミュレーション(令和7年分・2025年所得)
以下のシミュレーションは概算です。実際の還付額は経費の計上額や追加控除によって変わります。
シミュレーションの前提条件:
- 経費率 20%(ガジェット・通信費・書籍代・交通費など)
- 青色申告特別控除 65万円(e-Tax申告)
- 社会保険料控除は月単価60万で60万円、80万で70万円(概算)
- iDeCo・小規模企業共済は含まない(活用すればさらに還付額が増える)
| 項目 | 月単価60万円(年720万円) | 月単価80万円(年960万円) |
|---|---|---|
| 年間総収入 | 720万円 | 960万円 |
| 年間源泉徴収税額(概算) | 73.5万円 | 98万円 |
| 経費(20%) | 144万円 | 192万円 |
| 青色申告特別控除 | 65万円 | 65万円 |
| 合計所得金額 | 511万円 | 703万円 |
| 基礎控除(令和7年分) | 63万円 | 58万円 |
| 社会保険料控除(概算) | 60万円 | 70万円 |
| 課税所得 | 約388万円 | 約575万円 |
| 所得税額(復興特別所得税込) | 約35.6万円 | 約73.8万円 |
| 還付見込み額 | 約37.9万円 | 約24.2万円 |
月単価80万円より60万円のほうが還付額が大きいのは、課税所得の税率帯が低く、前払いした10.21%との乖離が大きいためです。
私は月単価50万円時代に約35万円を還付してもらい、そのまま米国ETFに再投資しました。今なら月単価93万(税込100万超)まで上がっているので年間の源泉徴収額も増えていますが、iDeCo・小規模企業共済・経費計上の組み合わせで確定税額を圧縮し、毎年20〜30万円超を還付してもらっています。
freeeでこの計算を自動で済ませてしまうのが、最も手間の少ない方法です。
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freeeで青色申告して還付を受けた実体験 — 入力から振込まで
🦈 私の実体験
2020年のフリーランス独立と同時に青色申告の届出を提出。翌年2月〜3月の確定申告では、クライアント各社からの支払調書をfreeeに入力するだけで源泉徴収額と確定税額の差額が自動計算された。税理士なしで自力完結し、e-Tax送信から約2週間後に指定口座へ還付金が振り込まれた。その後も法人設立(マイクロ法人)と組み合わせた二刀流で確定申告を継続中。
freeeでの源泉徴収入力ステップは以下のとおりです。
- freeeの「確定申告」メニューから申告書作成を開く
- 「収入・売上」に年間売上を登録
- 「源泉徴収税額」欄に支払調書記載の「源泉徴収税額」の合計を入力
- 社会保険料控除(国民健康保険料・国民年金の実額)を入力
- 青色申告65万円控除は自動適用される(e-Tax申告が前提)
- 申告書プレビューで還付金額を確認
- e-Taxで送信 → 2〜3週間後に振込
支払調書が届かない場合でも 請求書と振込履歴から源泉徴収額を積算できます。クライアントに依頼すれば多くの場合は発行してもらえます。
「支払調書が届かない」「源泉徴収されていない」よくある疑問と対処法
Q: フリーランスエンジニアは必ず源泉徴収される?
必ずしもそうではありません。所得税法第204条が源泉徴収の対象とする業種にITエンジニアは明示されていないため、クライアントが徴収しないケースもあります。ただし実務上は多くの企業が慣行的に徴収しているため、請求書に「源泉徴収税額」欄があるかを必ず確認してください。
Q: 支払調書(源泉徴収票)が届かない場合は?
支払調書はクライアントが税務署に提出する書類であり、個人事業主への交付義務はありません(任意)。届かない場合は、①クライアントに依頼する、②請求書と振込履歴から源泉徴収税額を算出して自己申告する、どちらでも対応できます。
Q: 過去に確定申告していなかった場合は?
還付申告は対象年の翌年1月1日から5年間遡って申告できます(例:2026年なら2021年分まで)。過去に確定申告をしていなかったフリーランスエンジニアは、今すぐ遡り申告することで数十万円単位の還付を受けられる可能性があります。
確定申告をしなかった場合、源泉徴収された税金は自動では還付されない。月単価60万円のエンジニアは年間約35〜40万円が申告なしでは戻ってこない計算になる。「確定申告は義務だから」ではなく「数十万円の現金が戻ってくる権利の行使」として取り組むのが正しい認識。
📝 この記事のまとめ
- 源泉徴収は所得税の「前払い」。月単価60万円なら年間約73.5万円が差し引かれている
- 確定申告(青色申告65万控除+基礎控除+社保控除)を使えば月単価60万円で約38万円の還付が見込める
- 2026年申告(令和7年分)から基礎控除が最大95万円に引き上げ。月単価60〜80万円台は63万円が適用される
- freeeならe-Taxで申告でき、還付金は2〜3週間で振込。過去5年分は遡り申告も可能
- 支払調書が届かなくても、請求書と振込明細で自力申告できる
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よくある質問(FAQ)
Q1. フリーランスエンジニアはすべての報酬で源泉徴収されますか?
必ずしも全員が対象ではありません。所得税法第204条にはITエンジニアの業種が明示されていないため、契約形態やクライアントの判断によって源泉徴収されない場合もあります。ただし慣行的に徴収するクライアントが多いため、請求書に「源泉徴収税額」欄があるかを必ず確認することをおすすめします。
Q2. 確定申告しないと源泉徴収された税金は戻ってきませんか?
そのとおりです。源泉徴収で差し引かれた税金は「前払い」であり、確定申告または還付申告をしなければ自動的に還付されません。月単価60万円の場合、申告をしないと年間35〜40万円超が戻ってこない計算になります。
Q3. 2026年の確定申告(令和7年分)での基礎控除はいくらですか?
合計所得金額によって異なります。月単価60〜80万円台のフリーランスエンジニアに多い「489万円超〜655万円以下」の区分であれば63万円、「655万円超〜2,350万円以下」であれば58万円です。収入が低い場合(合計所得132万円以下)は最大95万円まで拡大します(令和7年度税制改正・国税庁)。
Q4. 支払調書(源泉徴収票)がクライアントからもらえない場合はどうすればいいですか?
支払調書のクライアントから個人事業主への交付義務はないため、届かないケースがあります。クライアントに依頼すれば多くの場合は発行してもらえます。届かない場合でも、請求書や振込履歴から源泉徴収税額を計算して申告できるため、確定申告そのものは問題なく行えます。
Q5. 還付金はいつ振り込まれますか?
e-Tax(電子申告)で申告した場合、約2〜3週間で指定口座に振り込まれます。書面(紙)での申告の場合は約1〜2ヶ月かかります。なお還付申告は対象年の翌年1月1日から5年間(時効)遡って申告できるため、過去に申告していなかった分も今すぐ請求可能です。
著者プロフィール
さめじま(フリーランス・ラボ・アーキテクト 編集長)
飲食業(手取り月15万円・1日18時間労働)から完全未経験でエンジニアに転職。SESを経て転職から約1年半でフリーランス独立。Go言語(実務7年)×AWS×フルリモート専業で単価を月50万→72万→93万(税込100万超)まで引き上げ、年収1,000万円を達成。税務体制は法人設立手続きから決算・個人の確定申告まで税理士なし・freeeで自力完結。米国ETF(VYM・HDV・SPYD・AGG・TLT・LQD)+小規模企業共済+iDeCo+マイクロ法人の合わせ技で資産5,000万円を達成(年間入金力500〜600万円)。実体験と実数値に基づくフリーランス・資産形成の情報を発信中。
確定申告書の作成ツールはfreeeかマネーフォワード クラウド確定申告の2強です。私はfreeeを使っていますが、Excelに慣れている方はマネーフォワードのほうが馴染みやすいという声もあります。まだ使い始めていない方は無料プランで試算だけでもしてみてください。
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