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フリーランスエンジニアのインボイス「簡易課税vs本則課税」2026年10月から得なのはどっち?

フリーランスエンジニアが簡易課税を選ぶと年間28万円節税できることを示すアイキャッチ。月単価60〜100万円の実額シミュレーション付き。2026年10月インボイス制度対応。

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📌 この記事でわかること

  • 2026年10月以降(個人は2027年分から)に何が変わるのか
  • 簡易課税(第5種・みなし仕入率50%)と本則課税(一般課税)の違い
  • 単価60万・80万・100万円での年収別消費税シミュレーション(3割特例も比較)
  • 令和8年度税制改正で創設された「3割特例」(2027年・2028年分・届出不要)の詳細
  • フリーランスエンジニアが選ぶべき課税方式と手続きの期限(2026年12月31日まで)

2023年10月にインボイス制度に登録した後、「2割特例」のおかげで3年間は消費税を安く抑えられました。ところが2025年秋、「2026年で特例が終わる」と気づいた瞬間、ゾッとしました。単価93万円(税込100万超)で稼いでいた私が本則課税に変わったら、消費税が年間100万円近くになると思い込んでいたからです。

しかし実際に計算してみると、話は全然違いました。フリーランスエンジニアには「簡易課税(第5種・みなし仕入率50%)」という選択肢があり、正しく選べば消費税は本則課税より年間数十万円安く抑えられるとわかったのです。

本記事では年収別シミュレーション(月単価60万・80万・100万)と選択のロジックを、私の実体験とともに解説します。


目次

2026年10月に何が変わるのか:2割特例の終了

結論:2割特例は「2026年9月30日を含む課税期間」まで。個人事業主(暦年決算)なら2026年分(1月〜12月)全体が対象で2027年分から新制度へ移行。令和8年度税制改正で「3割特例」(2027年・2028年分・個人限定・届出不要)も創設された。

インボイス制度の「2割特例」とは、免税事業者からインボイス登録事業者に転換した人が使える経過措置です。本来なら10%の消費税を全額受け取って納付額を計算しなければいけないところ、売上消費税の2割(20%)だけを納付すれば済むという特例でした。

この特例の適用は「2026年9月30日を含む課税期間」まで。個人事業主の課税期間は暦年(1月1日〜12月31日)のため、2026年1月〜12月分(2027年3月の確定申告で申告)が最後の適用年です。2027年1月1日以降は課税方式を選択する必要があります。

課税方式 仕組み 特徴
3割特例(個人のみ) 売上消費税の30%を納付(2027年・2028年分) 届出不要・個人事業者限定・2年間のみ
簡易課税 売上消費税に「みなし仕入率」を掛けて納税額を算出 帳簿管理が簡単・小規模事業者向け
本則課税(一般課税) 実際の仕入・経費の消費税を売上消費税から差し引く 経費が多い場合に有利
📌 令和8年度税制改正で「3割特例」が創設
2割特例終了後の2027年分・2028年分に限り、個人事業者(法人は不可)向けの経過措置として「3割特例」が創設されました(国税庁令和8年度税制改正)。売上消費税の30%を納付するもので、届出書の提出は不要。2026年12月31日までに簡易課税届を出さなくても、2027年・2028年分は3割特例が使える可能性があります。ただし基準期間(申告年の2年前)の課税売上高が1,000万円以下であることが条件です。
⚠️ 注意(個人事業主の場合)
「なんとなく2割特例を使ってきた」個人事業主の方は、2027年1月1日から自動的に本則課税(一般課税)になります。2027年・2028年分は3割特例(届出不要)という経過措置がありますが、2029年以降も有利な課税方式で継続するなら2026年12月31日までに簡易課税選択届を出すのがベストです。

2026年7月現在の情報です。最新情報は国税庁のサイト(nta.go.jp)でご確認ください。


簡易課税と本則課税(一般課税)の違いとは

結論:簡易課税は「売上消費税×50%を納税」本則課税は「売上消費税−実際の経費の消費税を納税」。経費が売上の50%を超えない限り、簡易課税の方が節税になる。

簡易課税:みなし仕入率で計算

簡易課税では、業種ごとに定められた「みなし仕入率」を使って納税額を計算します。実際の経費の消費税を1円ずつ拾う必要がなく、帳簿管理がシンプルです。

フリーランスエンジニアが該当するのは第5種事業(サービス業・情報通信業)で、みなし仕入率は50%です。

計算式: 納税額 = 売上消費税 × (1 − 50%) = 売上消費税の50%

本則課税:実際の仕入税額を差し引く

本則課税では、実際に支払った仕入れ・経費の消費税(仕入税額)を売上消費税から差し引いた金額を納税します。

計算式: 納税額 = 売上消費税 − 実際の仕入税額(経費の消費税)

どちらが得かの判断基準

条件 有利な課税方式
経費(消費税込み)が年間売上の50%未満 簡易課税
経費(消費税込み)が年間売上の50%以上 本則課税
外注費・仕入れが多い(制作会社・SES会社等) 本則課税
IT系フリーランスで自分一人で稼働 簡易課税(ほぼ確実)

フリーランスエンジニア(個人)の年間経費は、PC・ソフト・書籍・交通費を合わせても100〜200万円程度というケースが大半です。年収600〜1,000万円規模では経費率は20%以下が普通。簡易課税一択と言っても過言ではありません。


年収別シミュレーション:単価60万・80万・100万でどちらが得か

結論:月単価80万(年収960万)のフリーランスエンジニアが経費200万の場合、本則課税より簡易課税の方が年間約28万円節税できる。さらに2027年・2028年分は3割特例(届出不要)を使えば年間約48万円節税になる可能性がある。

以下のシミュレーションは、消費税10%・簡易課税第5種(みなし仕入率50%)の場合です。経費欄は消費税がかかる経費(PC・機材・書籍・交通費等)の合計を想定しています。

フリーランスエンジニアの月単価80万円(年収960万円)での年間消費税納付額比較棒グラフ。2割特例19.2万円・3割特例28.8万円・簡易課税48万円・本則課税76万円の4方式を並べ、簡易課税が本則より年間28万円有利なことを示す。
月単価別の年間消費税納付額比較(経費年200万円想定・2027年分以降)

月単価60万円(年収720万円)の場合

  • 年間売上消費税: 720万 × 10% = 72万円
  • 2割特例(2026年分まで): 72万 × 20% = 14.4万円
  • 3割特例(2027年・2028年分・個人のみ): 72万 × 30% = 21.6万円
  • 簡易課税(第5種50%): 72万 × 50% = 36万円
  • 本則課税(経費200万として): 72万 − (200万 × 10%) = 72万 − 20万 = 52万円
  • 簡易課税の節税メリット: 本則課税より 年間16万円の節税

月単価80万円(年収960万円)の場合

  • 年間売上消費税: 960万 × 10% = 96万円
  • 2割特例(2026年分まで): 96万 × 20% = 19.2万円
  • 3割特例(2027年・2028年分・個人のみ): 96万 × 30% = 28.8万円
  • 簡易課税(第5種50%): 96万 × 50% = 48万円
  • 本則課税(経費200万として): 96万 − (200万 × 10%) = 96万 − 20万 = 76万円
  • 簡易課税の節税メリット: 本則課税より 年間28万円の節税

月単価100万円(年収1,200万円)の場合

  • 年間売上消費税: 1,200万 × 10% = 120万円
  • 2割特例(2026年分まで): 120万 × 20% = 24万円
  • 3割特例: ※年収1,000万超の場合は対象外になる可能性あり(基準期間の課税売上高要件による)
  • 簡易課税(第5種50%): 120万 × 50% = 60万円
  • 本則課税(経費200万として): 120万 − (200万 × 10%) = 120万 − 20万 = 100万円
  • 簡易課税の節税メリット: 本則課税より 年間40万円の節税
✅ ポイント
簡易課税が本則課税と同等になるのは「年間経費 = 年収の50%」の時です。月単価80万円なら480万円の消費税込み経費が必要。外注費なしのエンジニア個人では非現実的な水準です。

私がインボイス登録後に簡易課税を選んだ理由(実体験)

結論:2割特例終了後に簡易課税を選択。年間経費150万円のエンジニアなら、本則課税と比べて年間約25万円の節税になると試算した。

🦈 私の実体験

2023年10月のインボイス制度施行に合わせて課税事業者に登録しました。当初は2割特例を適用し、freeeで消費税申告を自力で完結。単価93万円(税込100万超)の時点では2割特例で年間約22万円の消費税納付で済んでいました。2026年10月以降は簡易課税(第5種50%)を選択済みで、年間消費税納付額は約55万円の見込みです。本則課税の場合は経費150万円として売上消費税112万円から15万円を差し引いた約97万円となり、簡易課税との差額は年間42万円です。

フリーランスとして独立してから確定申告・消費税申告ともにfreeeで税理士なしで自力完結しています(2020年から)。インボイス制度の登録手続きも、freeeの画面から直接e-Taxで申請しました。

「簡易課税にすると帳簿が楽になる」というメリットも大きいです。本則課税では仕入税額を1枚ずつ経費ごとに計上しなければなりませんが、簡易課税なら売上高さえ把握していれば消費税計算ができます。


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私は2020年の独立以来、確定申告も消費税申告もfreeeで税理士なしに自力完結しています。2023年のインボイス登録もfreeeからe-Tax直申請で5分で終わり、2026年10月以降の簡易課税切替設定も画面1つで済みました。年間55万円規模の消費税申告も全てfreeeで処理しています。

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2026年10月に向けてやること・注意点

結論:簡易課税を2027年分から適用するなら「消費税簡易課税制度選択届出書」を2026年12月31日までに税務署へ提出する必要がある。期限を過ぎると2027年分は本則課税になる(ただし3割特例は届出不要で適用可能)。
フリーランスエンジニアが2026年10月以降の消費税対策として実施する5ステップのフロー図。現在の課税方式確認から会計ソフト設定変更まで。2026年12月31日が簡易課税届出書の提出期限。
2026年10月以降の消費税対策ロードマップ(個人フリーランスエンジニア向け)

ステップ1: 現在の課税方式を確認する

まず自分が「2割特例を使っているのか」「すでに簡易課税を選択済みなのか」を確認してください。

  • 2割特例のみ適用中 → 2026年9月30日までに簡易課税か本則課税かを選択・届出が必要
  • すでに簡易課税届出済み → 2026年10月以降も自動的に簡易課税が継続(届出不要)
  • 本則課税(届出なし) → 2026年10月以降も本則課税が継続

ステップ2: 簡易課税を選ぶなら届出を提出する

簡易課税を選択する場合、「消費税簡易課税制度選択届出書」(国税庁様式)を税務署に提出します。

  • 提出期限: 適用を受けたい課税期間の開始日の前日まで
  • 個人事業主(暦年決算)の場合:
  • 課税期間 = 1月1日〜12月31日(暦年)
  • 2027年分(2027年1月1日〜)から簡易課税を適用したい場合 → 2026年12月31日が期限
  • ※2027年・2028年分は「3割特例」(売上消費税の30%・届出不要)という経過措置も使える可能性があります。3割特例は簡易課税(50%)より有利なため、2026年12月31日の届出を逃した場合でも活用できます
⚠️ 注意
2026年12月31日の提出期限を過ぎると、2027年分は本則課税(または3割特例)になります。2029年以降も簡易課税で進めたい場合は2026年中(できれば余裕を持って11月頃まで)に提出するのが安全です。

ステップ3: 事業区分(第何種か)を確認する

フリーランスエンジニアの多くはサービス業として第5種(みなし仕入率50%)に該当します。ただし以下のケースは事業区分が異なります。

エンジニアの形態 事業区分 みなし仕入率
業務委託・フリーランス(個人の労働提供) 第5種 50%
ソフトウェア製品の販売 第1種(卸売)または第2種(小売) 90%/80%
請負工事(建設系エンジニア) 第3種(製造業等) 70%

自分の事業区分が不明な場合は、税務署や税理士に確認することをお勧めします。事業区分の判定基準は国税庁「No.6509 簡易課税制度の事業区分」に詳しく記載されています。

2026年7月現在の情報です。詳細は国税庁 令和8年度税制改正(インボイス)または税務署にお問い合わせください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 2割特例から簡易課税に変えると帳簿管理はどう変わりますか?

簡易課税に変えても帳簿管理の実務的な負担はほぼ変わりません。売上を記録していれば消費税の計算は自動でできます。freeeや弥生などの会計ソフトが自動で簡易課税の計算をしてくれます。2割特例は自動計算でしたが、2割特例終了後も簡易課税なら会計ソフト任せでOKです。

Q2. 年収が増えたら本則課税に切り替えた方が良いですか?

フリーランスエンジニアが個人として稼働している限り、経費が大幅に増えることは少ないです。外注費・仕入れが売上の50%を超えない限り、簡易課税の方が有利な状況は変わりません。ただし大規模な設備投資(高額機材・事務所賃借)がある年は例外的に本則課税が有利になることがあります。

Q3. マイクロ法人でも簡易課税は使えますか?

はい、法人でも簡易課税は選択できます。マイクロ法人(合同会社など)でインボイス登録した場合も、年間売上5,000万円以下であれば簡易課税を選択可能です。事業区分の判定は個人・法人共通のルールで行います。

Q4. 簡易課税から本則課税に戻すことはできますか?

できますが、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出する必要があります。また、簡易課税の選択を一度行うと原則2年間は継続しなければなりません。気軽に年ごとに切り替えることはできない点に注意してください。

Q5. 3割特例とは何ですか?簡易課税と2割特例のどちらが得ですか?

令和8年度税制改正で創設された「3割特例」は、インボイス登録により免税事業者から課税事業者になった個人事業者が2027年分・2028年分の申告で使える経過措置です。売上消費税の30%を納付するもので、届出書の提出は不要(確定申告書に付記するだけ)。2割特例(20%)には劣りますが、簡易課税(第5種50%)より有利です。ただし基準期間の課税売上高が1,000万円以下であることが条件で、法人(マイクロ法人)は対象外です。

Q6. 消費税の申告を忘れるとどうなりますか?

インボイス事業者(課税事業者)として登録した以上、消費税申告は毎年必須です。申告・納付を怠ると延滞税・無申告加算税が課せられます。freeeなどの会計ソフトを使って申告期限(個人事業主は翌年3月31日)を守るようにしましょう。


まとめ:フリーランスエンジニアはほぼ全員「簡易課税」が正解

📝 この記事のまとめ

  • 個人事業主の2割特例は2026年分(1月〜12月)まで。2027年分から新課税方式への移行が必要
  • 令和8年度税制改正で「3割特例」が創設(2027年・2028年分・個人のみ・届出不要)
  • フリーランスエンジニア(第5種・みなし仕入率50%)は経費が少ないため、ほぼ全員簡易課税が有利
  • 月単価80万(年収960万)では、簡易課税が本則課税より年間約28万円節税になる試算
  • 2029年以降も簡易課税で進めるなら「消費税簡易課税制度選択届出書」を2026年12月31日までに提出

👉 まずやること:現在の課税方式を確認し、簡易課税選択届出書をe-Taxまたは税務署へ提出する

2026年以降の変更を正しく対処すれば、本則課税より年間数十万円の節税につながります。私はfreeeで自力完結していますが、freee以外にもマネーフォワード クラウド確定申告など使いやすいクラウド会計ソフトがあります。どのソフトも簡易課税・インボイス制度に対応しているので、現在まだ会計ソフトを使っていない方はまず無料プランで試すのがおすすめです。

消費税申告のタイミングは「届出書提出」とセットで動く必要があります。会計ソフトで申告の流れを把握しておくと、届出書提出のタイミングも自然と見えてきます。私が6年以上使い続けているのがfreeeです。


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著者プロフィール

🦈 さめじま(フリーランス・ラボ・アーキテクト 編集長)

完全未経験からエンジニアとして独立し、数年で年収1,000万円・個人資産5,000万円を達成した戦略家。感情や根性論を排除し、AIツールと税務戦略を駆使した「最もスマートな独立ルート」をシステム論として発信している。フリーランス・ラボ・アーキテクト(本メディア)では、独立・副業・資産形成・FIREをテーマに、再現性の高い実体験ベースの情報を提供している。

本記事の内容は2026年7月現在の情報をもとに作成しています。インボイス制度・消費税に関する制度は改正される場合があるため、最新情報は国税庁公式サイト(nta.go.jp)でご確認ください。具体的な税務判断は税理士・税務署にご相談ください。

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