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SESとフリーランスの手取りを徹底比較|中抜き率と月収差の実態【2026年版】
📌 この記事でわかること
- SES(正社員)とフリーランスの手取り差を実数値で比較する計算式
- 中抜き率(還元率)50〜65%の差が年収に与えるリアルな影響
- フリーランス転向後に増える社会保険・税負担と手取り最大化の3戦略
- SES1社目で月収20万円→会社変更で40万円になった実体験ベースの解説
「SESとフリーランス、実際どちらが手取りで稼げるのか」——この問いに正確に答えられる記事がほとんどありません。
SES正社員のまま月収30万円台で頭打ちになっているエンジニアと、フリーランスで単価80万・手取り50万円超を稼ぐエンジニアが同じスキルで共存しているのが今のIT業界の現実です。その差を生んでいるのが「中抜き率(還元率)」という構造です。
私はSES企業1社目で月収20〜25万円だったのに、会社を変えただけで月収40万円に倍増した経験があります。同じ案件ルート、ほぼ同じスキルでこれだけの差がついた。その後フリーランスとして独立し、単価を50万→72万→93万円(税込月収100万円超)と引き上げ、資産5,000万円を達成しました。
この記事では、SESとフリーランスの手取りを中抜き率・社会保険・税金まで含めて完全に解体します。
SESとフリーランスの「手取り差」を5分で理解する
SES正社員とフリーランスエンジニアの最大の違いは「単価の何割が自分に届くか」という構造の差です。
SES正社員の場合、エンドクライアントが支払う単価は「元請けSES会社→中間会社→あなた」という商流を通過します。各層がマージンを取るため、エンドが支払う金額の50〜65%程度しか月給として手元に届きません。これを「還元率」と呼びます。
フリーランスの場合、エンドクライアント(またはエージェント1社)から直接単価を受け取ります。エージェントの手数料は単価の10〜20%程度が多く、残りがほぼそのまま売上になります。

単価別・手取り早見表(SES vs フリーランス)
| 月単価 | SES(還元率60%)手取り | SES(還元率65%)手取り | フリーランス手取り(概算) |
|---|---|---|---|
| 40万円 | 約24万円 | 約26万円 | 約27〜29万円 |
| 60万円 | 約33〜36万円 | 約37〜39万円 | 約38〜42万円 |
| 80万円 | 約44〜48万円 | 約50〜52万円 | 約50〜56万円 |
| 100万円 | 約56〜60万円 | 約63〜65万円 | 約62〜68万円 |
※フリーランスの手取りは個人事業主(青色申告65万円控除・国民健康保険・国民年金加入)として試算。マイクロ法人活用でさらに手取りを増やせます。
SESの手取りを決める「中抜き率」の仕組み
SES企業における「還元率」とは、エンドクライアントから受け取る契約単価のうち、エンジニア本人の月給(基本給+諸手当)として還元される割合のことです。
計算式はシンプルです:
月給(額面)= 契約単価 × 還元率
たとえば月単価60万円・還元率60%なら月給額面は36万円。さらに社会保険料(厚生年金・健康保険・雇用保険の自己負担分)と所得税・住民税が引かれ、実質手取りは概算で28〜32万円前後になります。
還元率は多くのSES企業が自主的に公表していません。「残業代・交通費込みで65%」「基本給だけで見ると55%」という計算ズレが多発しています。入社前に「月単価○万円の場合、月給は何万円になりますか?」と具体的な数字で必ず確認してください。
商流の深さによる手取り格差
SES業界では、エンドクライアントが支払う金額と、エンジニアが受け取る月給の間に複数の中間企業が入ることがあります。
典型的な商流の例をあげます。エンドクライアントが月120万円を発注した場合、元請けが20万円のマージンを取り100万円で2次請けへ。2次請けがさらに35万円を取り、エンジニアの月給は65万円分。エンドが払う120万円のうち54%しかエンジニアに届かない計算になります。
一次請け・エンド直の案件に近いほど中間マージンは減り、還元率が上がります。「同じスキルでも所属会社で手取りが変わる」最大の理由がここにあります。
内部リンク参考:SESからフリーランスへ独立するタイミング
私が体験した「SES会社を変えただけで月収が倍になった」話
🦈 私の実体験
SES1社目の月収は20〜25万円でした。約1年間、資格を約10個取得して社内MVP相当の表彰・報奨金20万円をもらっても基本給はほとんど変わりませんでした。ところがSES会社を変えただけで月収40万円に倍増。同じ案件ルートでこれほどの差がついたのは「中抜きの差」以外に説明がつきません。
完全未経験からエンジニアに転職した私は、SES1社目でJava研修を3ヶ月受けてから常駐案件に参画しました。
入社約1年で資格を約10個取得。社内MVP相当の表彰と報奨金20万円をもらいました。それでも月収は20〜25万円のまま動かない。
「頑張っても給料が上がらない」というよりも、「会社の取り分が多すぎて、構造的に上がりようがない」状態でした。
別のSES企業へ転職したところ、同じような案件ルートなのに月収が40万円になりました。年収ベースで200万円以上の差です。スキルは変わっていない、案件難度も変わっていない——変わったのは「中抜きを取る会社の取り分」だけでした。
この経験が「独立すれば自分が稼いだ分をもっと受け取れる」という確信につながり、エンジニア転職から約1年半でフリーランス独立を決断しました。
SESで月収が上がらないと感じたら、まず「還元率を確認 → 高還元SES企業に転職 → フリーランス独立」の順で考えてください。一気にフリーランスに飛ぶ必要はありません。段階的に構造を理解してから動くのが失敗の少ない道です。
フリーランスに転向すると「増える負担」の実計算
SESから独立する際に最も見落とされやすいのが、フリーランスになるとこれまで会社が半額負担していた社会保険料が全額自己負担になる点です。
フリーランス(個人事業主)の月額費用の目安(年収700万円の場合):
| 項目 | 月額 | 備考 |
|---|---|---|
| 国民健康保険料 | 約5〜7万円 | 所得・自治体で異なる。上限106万円/年(2024年度から) |
| 国民年金保険料 | 約1.7万円 | 2026年度額(定額)(日本年金機構) |
| 所得税(概算) | 約5〜8万円 | 青色申告65万控除後の課税所得に税率20〜23%を適用 |
| 住民税(概算) | 約4〜5万円 | 前年所得ベース |
| 合計 | 約16〜22万円 | 月単価60万円でも手取りは約38〜44万円 |

2026年の税制改正で手取りはどう変わる?
2026年から施行される令和8年度税制改正では、基礎控除が48万円から58万円(給与所得者は合算123万円)への引き上げが予定されています(閣議決定済み・2026年分の所得から適用予定)。個人事業主の所得税・住民税が若干軽減される見込みです。
最新情報は国税庁ウェブサイトでご確認ください。制度は改正されることがあるため、確定申告前に必ず最新情報を確認することをおすすめします。
国民健康保険料は前年所得で計算されます。独立1年目は低く見えても、2年目から跳ね上がるケースがほとんどです。独立前に1〜2年分の国保料を試算しておくことをおすすめします。
それでもフリーランスが有利な理由——手取りを最大化する3つの戦略
フリーランスとSESの手取りを単純比較すると「あまり変わらないのでは?」と感じる方もいます。しかし、フリーランスには「節税の武器」がSES正社員より圧倒的に多いのです。
🦈 私の実体験
フリーランス独立後、最初の単価は約50万円でした(初案件は3ヶ月で終了という失敗もあります)。その後、一つの案件を長期継続して実績を積み重ね、単価は72万→80万→88万→93万円(税込月収100万円超)と段階的に上昇。さらにマイクロ法人を活用して社会保険料を年間数十万円単位で削減し、実質的な手取りをSES時代の2倍以上に高めました。
① 青色申告(65万円控除)を徹底活用する
個人事業主として青色申告を選択することで、最大65万円(電子申告の場合)の特別控除が受けられます。これだけで所得税・住民税を年間10〜15万円削減できます。
freeeでの青色申告65万円控除のやり方は別記事で詳しく解説しています。
② マイクロ法人で社会保険料を最適化する
私が実践しているのが「マイクロ法人+個人事業主の二刀流」です。マイクロ法人から月4.5万円の役員報酬を設定することで社会保険(厚生年金・健康保険)に切り替え、国民健康保険より年間数十万円単位の削減が可能です。
マイクロ法人と個人事業の二刀流で社会保険を最適化する方法も参照してください。
③ 小規模企業共済で退職金を積みながら節税する
小規模企業共済は月最大7万円まで全額所得控除。フリーランスだけが使える「節税しながら退職金を作る」制度で、年間84万円の控除を受けながら将来の退職金を準備できます。
青色申告65万控除+小規模企業共済(最大84万控除)+マイクロ法人の合わせ技で、税負担が2〜3割削減できます。「同じ単価でもフリーランスの実質手取りがSESより上になる」理由はここにあります。
フリーランスへの第一歩——エージェントで自分の適正単価を確認する
手取りを比較するための最初のステップは、自分のスキルが市場でいくら評価されるかを確認することです。
SESで月収30〜40万円のエンジニアが、フリーランスエージェントに登録して単価を聞いてみると「月60〜80万円の案件があります」と言われるケースは珍しくありません。中抜きの差を数字で知ると、独立の決断が早まることがよくあります。
私自身、複数のフリーランスエージェントを活用して案件を探し、メインのエージェントとは4〜5年継続して付き合っています。まずは登録して現在の市場価値を知るところから始めてください。相談は無料です。
独立直後の「保障が不安」という不安を解消したい方には、正社員並みの福利厚生と報酬保障がつくMidworksが選択肢になります。
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また、週3日・高単価・フルリモートの案件に特化したクラウドワークス テックも、SES案件と並行して副業で実績を積む選択肢として有効です。独立前に副業で単価感をつかむ戦略をとる方にも活用されています。
よくある質問
Q. SESの手取りが低い原因は中抜き率だけですか?
A. 中抜き率(還元率)が最大の要因ですが、商流の深さも影響します。エンドクライアントから遠い三次請け・四次請けの案件では各層がマージンを取るため、還元率が下がります。「所属会社の還元率」と「案件の商流の深さ」の両方を確認してください。
Q. フリーランスとSESで同じ単価なら、手取りはどちらが多いですか?
A. 月単価60万円の場合、SES還元率60%なら手取り約30〜33万円。フリーランス(青色申告・個人事業主)なら約38〜42万円です。フリーランスが月5〜9万円、年間60〜100万円ほど手取りで上回ります。マイクロ法人を活用するとさらに有利になります。
Q. フリーランス転向後、社会保険料がSES時代より高くなりますか?
A. SES正社員は会社が保険料の半額を負担しています。フリーランスになると全額自己負担になるため、国民健康保険+国民年金で月7〜9万円の増加を見込んでください。ただし、マイクロ法人化することで健康保険を「協会けんぽ」に切り替え、自己負担を大幅に減らせます。
Q. 中抜き率を会社に聞いても教えてもらえません。どうすれば分かりますか?
A. 直接聞くのが最も確実です。「月単価○万円の場合、月給はいくらになりますか」と具体的に質問してください。転職口コミサービスや、SES比較サイトでも確認できます。還元率70%以上を掲げている場合は詳細な内訳の確認をおすすめします。
Q. SESからフリーランスに転向するタイミングの目安はありますか?
A. 実務3年・単価相場の把握・複数エージェントへの登録が揃ったタイミングが一般的な目安です。私は実務約1年半で独立しており、「早すぎた」という失敗(初案件3ヶ月で終了)も経験しました。まずエージェントに相談して自分の市場価値を知ることから始めてください。
Q. 2026年の税制改正でフリーランスの手取りは変わりますか?
A. 2026年から基礎控除の引き上げ(48万円→58万円方向)が施行予定(閣議決定済み)です。個人事業主の所得税・住民税が若干軽減される見込みですが、詳細は国税庁のウェブサイトでご確認ください。
📝 この記事のまとめ
- SES正社員の手取りは単価の50〜65%(還元率)で決まる。所属会社を変えるだけで年収が100万円以上変わることがある
- 月単価60万円の場合、SES(還元率60%)の手取りは約30〜33万円、フリーランスは約38〜42万円。年間60〜100万円の差が生まれる
- フリーランス転向後は社会保険・税の全額自己負担があるが、青色申告・小規模企業共済・マイクロ法人の合わせ技で2〜3割の節税が可能
- 単価を上げ続けることが最大の手取り改善策。長期継続で実績を積み、単価を50→93万円まで引き上げた実体験が再現性の証明になる
👉 まずやること:フリーランスエージェントに無料登録して、自分の市場単価を今すぐ確認する
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著者プロフィール
🦈 さめじま(フリーランス・ラボ・アーキテクト 編集長)
完全未経験からエンジニアとして独立し、数年で年収1,000万円・個人資産5,000万円を達成した戦略家。感情や根性論を排除し、AIツールと税務戦略を駆使した「最もスマートな独立ルート」をシステム論として発信している。フリーランス・ラボ・アーキテクト(本メディア)では、独立・副業・資産形成・FIREをテーマに、再現性の高い実体験ベースの情報を提供している。
本記事の内容は2026年6月現在の情報をもとに作成しています。税制・社会保険制度は改正される場合があるため、最新情報は国税庁・日本年金機構でご確認ください。詳しい内容はお近くの税理士・社会保険労務士にご相談ください。
