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マイクロ法人の設立手順と費用【フリーランスエンジニア完全ガイド2026年版】

マイクロ法人の設立準備。合同会社の設立書類と定款をデスクで作成するフリーランスエンジニアのイメージ

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マイクロ法人の設立手順と費用【フリーランスエンジニア完全ガイド2026年版】

「マイクロ法人が節税になるのは分かった。でも、設立って何十万円もかかるし、税理士に頼まないと無理でしょ?」——独立した当時の私も、まさにそう思い込んで一歩を踏み出せずにいました。

ところが実際に調べてみると、合同会社を電子定款で自分で作れば、法定費用はたった6万円。私は2020年のフリーランス独立と同時に、税理士を使わずマイクロ法人を設立し、以来6年間、社会保険料を国民健康保険と比較して年間数十万円削減し続けています。

この記事では、そのとき私が実際にたどった設立手順と費用の全内訳を、2026年最新の制度(3月の厚労省通達を含む)まで反映して、そのまま真似できる形で公開します。

📌 この記事でわかること

  • マイクロ法人の設立費用の全内訳(合同会社なら電子定款で6万円)
  • 合同会社と株式会社、フリーランスエンジニアが選ぶべきはどちらか
  • 会社形態の決定から登記・設立後の届出まで「設立5ステップ」
  • 2026年3月の厚労省通達で変わった「実態要件」への具体的な対応

目次

マイクロ法人の設立費用はいくら?合同会社なら6万円から

結論:マイクロ法人は「合同会社」を「電子定款」で自力設立すれば、法定費用は登録免許税6万円のみ。株式会社(約20万円)の約3分の1で済みます。

まず、多くの人が誤解している「設立費用」から整理します。マイクロ法人とは、社会保険の最適化などを目的に、あえて小さく運営する一人会社のことです。会社の器そのものは通常の法人と同じで、設立時にかかる法定費用(国に納めるお金)も同じルールで決まります。

フリーランスエンジニアがマイクロ法人を作るなら、会社形態は合同会社が正解です。合同会社は株式会社と違い、定款認証が不要なため、設立コストを大きく圧縮できます。

マイクロ法人の設立費用比較の棒グラフ。合同会社の電子定款なら6万円、紙定款なら10万円、株式会社は約20万円かかることを示す実例
会社形態・定款方式別の法定費用の比較(2026年7月時点・自力設立の場合)

具体的な法定費用の内訳を、合同会社と株式会社で比較すると次のとおりです。

項目 合同会社 株式会社
登録免許税(最低額) 6万円 15万円
定款認証手数料 不要(0円) 3〜5万円(資本金による)
収入印紙代(紙定款) 4万円(電子定款なら0円) 4万円(電子定款なら0円)
法定費用の合計(電子定款) 約6万円 約18〜20万円

定款認証手数料は、株式会社の場合、資本金100万円未満で3万円・100万〜300万円未満で4万円・300万円以上で5万円と定められています(日本公証人連合会・2026年7月時点)。合同会社にはこの認証自体が存在しないため、丸ごと不要です。

✅ ポイント
収入印紙代4万円は「紙の定款」にかかる費用。電子定款にすれば0円になります。会社設立freeeやマネーフォワード クラウド会社設立などのサービスは電子定款に対応しているため、自分で電子署名環境を用意しなくても印紙代4万円を丸ごと節約できます。

合同会社と株式会社、フリーランスエンジニアはどちらを選ぶべきか

結論:社会保険の最適化が目的のマイクロ法人なら、迷わず合同会社。設立が安く、決算公告の義務もなく、一人運営なら株式会社との実務上の差はほぼありません。

「せっかく法人を作るなら、信用力の高い株式会社のほうがいいのでは?」と考える人は多いです。しかし、取引先に対して法人格を名乗り、社会保険を最適化するというマイクロ法人の目的に限れば、合同会社のデメリットはほとんどありません。

一人で運営するマイクロ法人において、両者の実務的な違いを整理します。

比較軸 合同会社 株式会社
設立の法定費用 約6万円 約20万円
決算公告の義務 なし あり(官報掲載費 約6万円/年〜)
役員の任期 なし(重任登記不要) 原則あり(登記の手間・費用)
社会的信用 やや劣るとされる 高いとされる
社会保険の加入 同じ(法人は強制適用) 同じ(法人は強制適用)

エンジニアの場合、案件はエージェントや取引先との業務委託契約で受けることが多く、「株式会社でないと契約できない」という場面はまず起きません。むしろ設立費用・維持コストの安さがそのまま手残りに効きます。

🦈 私の実体験

2020年の独立時、私は社会保険の最適化だけを目的にしていたので、迷わず合同会社を選びました。個人事業のメイン収入(Go言語×AWSのフルリモートで単価80万→88万→93万円・税込100万円超)は年収1,000万円超のまま個人側で回し、法人はあえて売上を年100〜200万円に抑える「二刀流」の器として設計。6年間運営していますが、合同会社であることでクライアントとの契約に支障が出たことは一度もありません。


マイクロ法人設立の手順——会社形態の決定から届出まで5ステップ

結論:マイクロ法人の設立は「①会社形態の決定→②定款作成→③出資金の払込→④登記申請→⑤設立後の届出」の5ステップ。登記が完了した日が会社の設立日になります。

ここからは、実際に私がたどった設立の流れを5ステップで解説します。設立支援サービスを使えば①〜④の書類作成はほぼ自動化できますが、全体像を理解しておくと、どこを自力でやり、どこを頼るかを判断できます

マイクロ法人設立の5ステップのフロー図。会社形態の決定・定款作成・出資金の払込・登記申請・設立後の届出という手順を示す
マイクロ法人設立の5ステップ(フリーランスエンジニア向け)

Step 1: 会社の基本事項を決める

会社形態(合同会社を推奨)・商号(会社名)・本店所在地・事業目的・資本金・事業年度を決めます。資本金は1円から設定可能ですが、社会保険の手続きや対外的な体裁を考えると、私は数十万円程度に設定しました。事業目的には「情報システムの企画・開発・運用」などIT事業の実態がわかる文言を入れておきます。

Step 2: 定款を作成する(電子定款で印紙代0円)

会社のルールブックである定款を作成します。前述のとおり、紙の定款では収入印紙代4万円がかかりますが、電子定款なら0円。設立支援サービスを使うと、質問に答えるだけで電子定款まで自動生成してくれます。

Step 3: 資本金(出資金)を払い込む

発起人(自分)の個人口座に資本金を振り込み、その通帳のコピーを払込証明書として使います。まだ法人口座は作れないため、個人口座への振込で問題ありません。

Step 4: 法務局へ登記申請する

設立登記申請書と添付書類を管轄の法務局へ提出します(オンライン申請も可能)。この申請書を提出した日が、原則として会社の設立日になります。登記完了までは通常1〜2週間ほどです。

Step 5: 設立後の各種届出を出す

登記が完了したら、次の届出を期限内に提出します。ここが「設立して終わり」にせず、社会保険最適化を成立させる肝の部分です。

提出先 主な届出 ポイント
税務署 法人設立届出書/青色申告の承認申請書/給与支払事務所等の開設届出書 青色申告承認は期限厳守。役員報酬を払うため給与支払事務所の届出も必須
都道府県・市区町村 法人設立届出書(地方税) 均等割の納税に関わる
年金事務所 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 法人は社会保険が強制適用。これで協会けんぽへ加入する
⚠️ 注意
青色申告の承認申請書には提出期限があります(原則、設立日から3ヶ月以内などの期限)。出し忘れると初年度に青色申告の特典が受けられません。設立後の届出は「登記が終わってから」まとめて、期限を確認しながら一気に片づけるのが安全です。

設立の書類作成から電子定款までワンストップで対応できると、この5ステップの負担は一気に軽くなります。私自身も設立支援サービスを使い、税理士に頼まず自力で会社を立ち上げました。


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設立時に決める「本店所在地」——自宅住所を公開したくない場合

結論:登記した本店所在地は誰でも閲覧できる公開情報になります。自宅を公開したくないフリーランスは、月額1,000円台のバーチャルオフィスで登記用住所を用意するのが定番です。

設立手続きで見落とされがちなのが本店所在地です。登記した住所は法人登記簿に記載され、誰でも取得・閲覧できる公開情報になります。自宅兼オフィスで働くフリーランスエンジニアにとって、自宅住所がそのまま公開されるのは避けたいところです。

私も自宅住所を登記に使うことは避け、バーチャルオフィスの住所を本店所在地として利用しています。月額1,000円台から法人登記に対応した住所を確保でき、郵便物の受け取りにも対応してくれるため、コストと安心のバランスが良い選択です。


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設立後にかかる維持コストと社会保険料の目安

結論:マイクロ法人は赤字でも法人住民税の均等割が年7万円かかります。一方で役員報酬を月4.5万円に抑えれば社会保険料は最低等級で計算され、国保より年間数十万円安くなります。

設立費用だけでなく、設立後の維持コストまで見ておかないと「思ったより高かった」となります。マイクロ法人を自力運営する場合の主なランニングコストは次の2つです。

① 法人住民税の均等割:赤字でも年7万円

資本金1,000万円以下・従業員50人以下の法人の場合、都道府県民税の均等割2万円+市町村民税の均等割5万円=年7万円が、利益の有無に関係なくかかります(総務省 法人住民税・2026年7月時点)。これはマイクロ法人を持つ「固定費」と考えておきます。

② 社会保険料:役員報酬を低くすれば最低等級で計算される

これがマイクロ法人最大のメリットです。社会保険料は「実際の所得」ではなく、役員報酬に基づく標準報酬月額で決まります。役員報酬を月4.5万円に設定すると、健康保険は最低等級(標準報酬月額58,000円)で計算されます。

厚生年金保険料率は18.3%(労使折半)、協会けんぽ東京都の健康保険料率は令和8年度で9.85%です(全国健康保険協会・2026年)。最低等級で計算すると、法人負担と個人負担を合わせても社会保険料は月2万円台前半に収まります。

🦈 私の実体験

私は役員報酬を月4.5万円に設定しています。年収1,000万円超の個人事業のまま国民健康保険に入り続けていたら、国保料だけで年間50万円超、国民年金と合わせて年間70万円を超える水準でした。それがマイクロ法人の協会けんぽ(役員報酬月4.5万円)に切り替えたことで、社会保険料は法人・個人合わせて年間24〜30万円程度に。均等割の年7万円を差し引いても、差し引きで年間数十万円が手元に残る計算です。決算も個人の確定申告も、税理士なしでfreeeを使って自力完結しています。

役員報酬の最適額の決め方は奥が深いので、詳しくはマイクロ法人の役員報酬はいくらが最適かで解説しています。


2026年の最重要ポイント——3月の厚労省通達で「実態」が問われるように

結論:2026年3月18日の厚労省通達で、社会保険の加入資格は「書類の形式」ではなく「業務の実態」で判断されると明確化されました。実際に事業を行い、役員報酬を毎月払っているマイクロ法人なら問題ありませんが、名ばかり法人はリスクになります。

マイクロ法人の設立を考えるうえで、2026年に必ず押さえておくべき変化があります。2026年3月18日に厚生労働省が出した通達「法人の役員である個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて」です。

この通達は、いわゆる「国保逃れスキーム」——実態のない法人や一般社団法人の役員として登記し、報酬を極端に低くして社会保険に入る手法——を対象に、社会保険の加入資格を「業務の実態」で判断するという方針を明確にしたものです。

⚠️ 注意
通達が問題視しているのは「実態のない名ばかり法人」です。役員報酬を設定しているだけで実際には払っていない事業活動の実体がないといったケースは、今後の社会保険調査で否認されるリスクがあります。設立して終わりではなく、実際に事業を回すことが前提です。

逆に言えば、次の3つを満たしていれば過度に心配する必要はありません。

  • 役員報酬が実際に毎月継続して支払われている(定期同額給与。国税庁 No.5211
  • 役員として実際に経営・意思決定を行っている
  • 法人としての事業実態がある(売上・経費の記録が残っている)

私のマイクロ法人はIT関連の事業で実際に売上を計上し、役員報酬を6年間毎月支払い、freeeで記帳・決算を続けています。「実態を伴わせる」ことこそが、2026年以降のマイクロ法人運営で最も重要な前提になったと理解しておいてください。

設立後の記帳・決算・確定申告を自力で回すなら、法人と個人の両方に対応した会計ソフトが欠かせません。私は法人設立から決算、個人の確定申告まで、すべてfreeeで税理士なしに完結させています。


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よくある質問

Q. マイクロ法人の設立費用は最低いくらですか?
A. 合同会社を電子定款で自力設立する場合、法定費用は登録免許税の6万円のみです。紙の定款だと収入印紙代4万円が加わり10万円になります。株式会社の場合は登録免許税15万円+定款認証手数料3〜5万円で、合計約20万円が目安です(2026年7月時点)。

Q. マイクロ法人は合同会社と株式会社のどちらがいいですか?
A. 社会保険の最適化が目的のマイクロ法人なら合同会社をおすすめします。設立費用が安く、決算公告の義務や役員任期がなく、一人運営なら株式会社との実務上の差はほとんどありません。エンジニアの業務委託契約で「株式会社でないと契約できない」場面はまず起きません。

Q. 税理士なしでマイクロ法人を設立・運営できますか?
A. 可能です。私は会社設立支援サービスと会計ソフト(freee)を使い、設立から決算、個人の確定申告まで税理士なしで自力完結しています。ただし社会保険や税務の個別判断が必要な場面では、税理士・社会保険労務士に相談することをおすすめします。

Q. 設立後にどんな届出が必要ですか?
A. 税務署へ法人設立届出書・青色申告の承認申請書・給与支払事務所等の開設届出書、都道府県・市区町村へ法人設立届出書、年金事務所へ健康保険・厚生年金保険の新規適用届を提出します。青色申告の承認申請には提出期限があるため注意してください。

Q. 2026年の厚労省通達でマイクロ法人は作れなくなりましたか?
A. いいえ。2026年3月18日の通達は「実態のない名ばかり法人」を問題視するもので、実際に事業を行い役員報酬を毎月支払っているマイクロ法人まで否定するものではありません。事業実態と報酬の継続的な支払いを伴わせることが前提になった、と理解してください。


この記事のまとめ

📝 この記事のまとめ

  • マイクロ法人は合同会社を電子定款で設立すれば法定費用6万円。株式会社(約20万円)の約3分の1で済む
  • 設立は「会社形態の決定→定款作成→出資金の払込→登記申請→設立後の届出」の5ステップ。税理士なしでも自力で可能
  • 維持コストは赤字でも法人住民税の均等割が年7万円。一方で役員報酬を月4.5万円に抑えれば社会保険料は最低等級で計算され、国保より年間数十万円安くなる
  • 2026年3月の厚労省通達で「実態」が問われるように。実際に事業を行い役員報酬を毎月払うことが前提

👉 まずやること:会社設立支援サービスの無料シミュレーションで、合同会社を設立した場合の費用と手続きを確認してみてください

マイクロ法人は「作ること」自体はゴールではなく、社会保険と税の最適化を回し続ける器です。設立の全体像がつかめたら、次は役員報酬の設計や二刀流の運用に進みましょう。


著者プロフィール

🦈 さめじま(フリーランス・ラボ・アーキテクト 編集長)

完全未経験からエンジニアとして独立し、数年で年収1,000万円・個人資産5,000万円を達成した戦略家。感情や根性論を排除し、AIツールと税務戦略を駆使した「最もスマートな独立ルート」をシステム論として発信している。2020年の独立と同時にマイクロ法人を設立し、税理士なしでfreeeを使い法人設立から決算・確定申告までを自力運営中。フリーランス・ラボ・アーキテクト(本メディア)では、独立・副業・資産形成・FIREをテーマに、再現性の高い実体験ベースの情報を提供している。

本記事の内容は2026年7月現在の情報をもとに作成しています。設立費用・社会保険料率・税制・社会保険の取扱いは改正される場合があるため、最新情報は法務局国税庁厚生労働省でご確認ください。会社設立・税務・社会保険に関する具体的な判断は、必ず税理士・司法書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

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